AI技術を用いた研究で肝癌治療の質を向上:
学会データベースを活用した肝癌治療予後予測AIシステムの評価を開始
一般社団法人 日本肝癌研究会
国立国際医療研究センター
日本アイ・ビー・エム株式会社
日本医師会AIホスピタル推進センター
一般社団法人日本肝癌研究会 理事長 波多野悦朗(京都大学教授)、理事 建石良介(東京大学准教授)、国立国際医療研究センター 理事長 國土典宏、研究医療部長 山田康秀、肝胆膵外科医師 國土貴嗣、研究員 淺岡良成(帝京大学准教授)、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)、日本医師会AIホスピタル推進センターは、一般社団法人日本肝癌研究会が保有する全国原発性肝癌追跡調査を活用し、各患者の治療法別に予後予測を行うことを目指したがん治療予後予測AIシステムを構築しました。本AIシステムは、今月から、研究に参加する会員が評価できるよう試験運用を開始しています。本年7月下旬までの予定で、実際に行った治療結果と本AIの予測とを比較評価した会員に対してアンケートを行い、AIシステムの性能を評価すると共に意見を収集します。性能確認後に、この新しいAI技術の社会実装を通じて、AIが予測する治療効果の結果を基に、患者、家族、医師、医療スタッフが治療選択を行うための共同意思決定(shared decision making)を支援することを目指します。
本研究プロジェクトでは、日本IBM、日本医師会AIホスピタル推進センターの協力のもと、日本肝癌研究会がナショナルクリニカルデータベース(以下NCD)のプラットフォーム上に構築したデータベースに集積された膨大な肝癌治療に関する医療情報をAIの学習データとして利用することで、肝癌治療の予後予測AIシステムを構築しました。このAIシステムは個々の患者が想定される治療を行った際の5年生存率や生存期間を含む予後予測を目指しています。
本AIシステムは、肝癌診療ガイドラインに準拠した治療を対象としています。原発性肝癌は肝硬変を合併していることが多く、腫瘍の個数、腫瘍径、脈管侵襲の有無、肝外病変の有無など、癌自体の進行度(病期)に加え、肝臓の予備能に応じて、外科切除、ラジオ波焼灼術、肝動脈化学塞栓療法、分子標的薬など、複数の治療方法の選択肢があります。そのため、同一病期の患者であっても、受診する施設の治療方針により、初回あるいは再燃時の治療が異なる場合が少なくありません。今回の試験運用では、会員は以下のAIシステムによる予後予測機能を評価可能です。
プロジェクトの将来的な目標は以下の通りです:
【本件に関するお問い合わせ】
一般社団法人 日本肝癌研究会
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Tel: 072-368-1901 E-mail: kangan@nihon-kangan.jp
国立国際医療研究センター 企画戦略局 広報企画室
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Tel: 03-3202-7181 E-mail: press@hosp.ncgm.go.jp
日本アイ・ビー・エム株式会社 広報 内山
広報代表 TEL: 03-3808-5120 / E-mail: PRESSREL@jp.ibm.com
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